お役立ち情報 2025.06.17

ドローン測量のメリット完全ガイド – 効率化とコスト削減を実現する最新技術 –

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測量業界において、ドローン(UAV:Unmanned Aerial Vehicle)の活用が急速に拡大しています。従来の地上測量や有人航空機による測量に代わる革新的な手法として、建設現場から災害現場まで幅広い分野で導入が進んでいます。本記事では、測量におけるドローン活用の具体的なメリットや注意点、将来性について詳しく解説します。

■ドローン測量とは

ドローン測量とは、センサーやカメラを搭載した無人航空機を用いて、上空から地形や建物の測量を行う技術です。主に「写真測量」と「レーザー測量」の2つの手法があり、従来の地上測量と有人航空機測量の中間に位置する測量方法として注目されています。

<写真測量>
ドローンに搭載されたカメラで地表を垂直撮影し、6割以上重複した写真から3次元データを生成する手法です。比較的低コストで実施でき、色情報も含めたデータが取得できるのが特徴です。

<レーザー測量>
ドローンに搭載したレーザースキャナーで地表を計測し、反射情報から3次元点群データを作成する手法です。色や影の影響を受けにくく、より高精度なデータが得られますが、機器の導入コストは高めになります。

■ドローン測量の圧倒的なメリット

①劇的な作業時間短縮
ドローン測量の最大のメリットは、従来の測量方法と比較した圧倒的な作業時間短縮です。例えば、2ヘクタールの平坦な土地を測量する場合、地上測量では2~3日かかる作業が、ドローンならわずか1時間程度で完了します。準備や撤収を含めても半日以下で済むため、6分の1以上の時間短縮が実現されます。
国土交通省の実績データでは以下のような短縮効果が報告されています:

・天竜川水系小渋川流域測量業務(0.042km²):従来5日(40時間)→ドローン1日(1時間程度)
・豊岡道路測量業務(0.31km²):大幅な作業時間短縮を実現

②コスト削減効果
ドローン測量は、人員コストと機材コストの両面で大幅な削減を実現します。従来の地上測量では複数人のチームが必要でしたが、ドローン測量では少人数での運用が可能です。また、有人航空機を使った測量と比較すると、チャーター費用が不要になるため、コストを大幅に抑えることができます。

③広範囲の効率的なカバー
ドローンは上空からの測量により、地上測量では困難な広範囲を効率的にカバーできます。特に地形の起伏が激しい場所や、人がアクセスしにくい急斜面、災害現場などでも安全に測量を実施できるのは大きなアドバンテージです。

④高精度な3Dデータの取得
現在のドローン測量では、RTK-GNSS(高精度衛星測位技術)により、センチ単位でドローンの位置を把握できるようになりました。これにより、公共事業や大規模工事でも十分活用できる高精度な3次元データの取得が可能です。

⑤データ処理の自動化
ドローンで取得したデータは、専用ソフトウェアを使用することで自動的に3Dモデルやオルソ画像の生成が可能です。従来の測量では、測量後のデータ処理(内業)に多くの時間を要していましたが、ドローン測量では大幅に短縮できます。

⑥安全性の向上
危険な地形や災害現場、立ち入りが困難な場所でも、ドローンなら遠隔で安全にデータを取得できます。作業員の安全を確保しながら、必要な測量データを効率的に収集できるのは重要なメリットです。

■ドローン測量のデメリットと注意点

①天候への依存
ドローンは天候に大きく左右されます。強風や雨天時には飛行が困難となり、測量作業が中断される可能性があります。計画的なスケジュール管理と天候の事前確認が重要です。

②バッテリー持続時間の制約
一般的な測量用ドローンの飛行時間は20~30分程度です。広範囲の測量では複数回の飛行が必要となり、バッテリー交換を含めた飛行計画の策定が必要です。

③測量範囲による制約
ドローン測量は中規模範囲の測量に最適です。数十平方メートル程度の狭い範囲では、従来の地上測量の方が効率的な場合があります。一方、非常に広範囲の場合は有人航空機測量が適している場合もあります。

④環境による制限
森林部で地表が見えない場所や、水面下の地形測量には制約があります。写真測量では樹木に遮られた地表の正確な測量が困難で、レーザー測量でも建物などの遮蔽物がある場所では測量できません。

■ドローン測量の適用場面

<向いている案件>
 ・ヘクタール(100m×100m)単位以上の範囲
 ・地形の起伏が激しい場所
 ・人がアクセス困難な場所
 ・災害現場や危険地帯
 ・建設現場での起工測量・出来形測量
 ・インフラ点検

<向かない案件>
 ・数十平方メートル程度の狭い範囲
 ・密集した森林部
 ・水面下の測量
 ・市域全体などの超広範囲(航空測量が適切)

■最新技術動向と将来性

<i-Constructionとの連携>
国土交通省が推進するi-Construction(アイ・コンストラクション)により、建設現場でのICT活用が本格化しています。ドローン測量で得られる3次元データは、BIM/CIMとの連携により、設計から施工、維持管理まで一貫したデジタル化を支援します。

<法整備の進展>
2022年12月に改正航空法が施行され、レベル4飛行(有人地帯での目視外飛行)が可能になりました。これにより、都市部での測量や災害時の緊急調査など、ドローン活用の可能性がさらに広がっています。

<機器の進歩>
最新のドローンでは飛行時間の延長や測位精度の向上が図られており、より効率的で高精度な測量が可能になっています。また、AI技術との組み合わせにより、データ解析の自動化も進んでいます。

■まとめ

ドローン測量は、従来の測量方法と比較して圧倒的な時間短縮とコスト削減を実現し、測量業界に革新をもたらしています。特に中規模範囲の測量において、その真価を発揮し、建設現場の生産性向上に大きく貢献しています。
一方で、天候への依存やバッテリー制約、環境による制限など、注意すべき点も存在します。導入を検討する際は、測量対象の特性を十分に分析し、最適な測量手法を選択することが重要です。
今後、技術の進歩と法整備の進展により、ドローン測量の活用領域はさらに拡大していくと予想されます。建設DXの推進とともに、測量業界のデジタル化を支える重要な技術として、その存在感はますます高まっていくでしょう。

■エスアール設計の強み

測量におけるドローン活用を検討される際は、豊富な実績と最新技術を兼ね備えた専門業者の選択が重要です。エスアール設計では、創業40年の豊富な実績と最新のDX技術を融合させた高精度なドローン測量サービスを提供しています。
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